令和7年9月、日本年金機構は2024年度の障害年金に関する統計を公表しました。
そこに示された数字に衝撃を受けると同時に、私たち専門家が日頃の実務で感じていたことを裏付けるものでもありました。統計によると、「障害が軽い」などと判断され、不支給となった人の割合は13.8%。前年度の9.2%から1.5倍に増加し、統計開始以降で割合・件数ともに過去最多となったのです。
特に注目すべきは、精神・発達・知的障害の分野で、不支給割合がほぼ2倍に増えているという点です。判定機関である日本年金機構は「審査方法などは変更しておらず、基準に基づき適正に判定している」と回答していますが、取材に応じた機構職員は「担当部署のトップが厳しい考え方の人間に代わったことが要因」と証言しています。
同じ事案でも、審査結果が変わり得ること
この数字をみてどう感じましたか?特にこれから申請を考えている方にとっては、大きな不安を感じたのではないでしょうか。
現実として、24年度は2万件を超える不支給が出ていますが、それらの全てが普遍的な意味で、不支給になる=受給できない人、ではないと考えています。ここ最近、審査が厳しくなっている要因があるにしても、そもそもが“適切な申請をしているか”によって結果が大きく分かれる制度であることも事実だからです。
障害年金は書類審査ですが、書類を出せばもらえる制度ではありません。制度の理解・医師との連携・書類作成の精度が結果を大きく左右します。この点が、役所などで取得した必要書類を揃えて提出すれば受給することができる「老齢年金」「遺族年金」との違いでもあります。
「見えない」ものを可視化するにはどうすればいい?
特に精神疾患や発達障害の場合は、日常生活能力や就労状況の具体的な状態など、数値化できない症状の特性上、複数の要素が重要視されため審査が厳しい傾向にあります。どれだけ生活が苦しくても、どれだけ働くことに困難を抱えていても、それが適切な形で書面に表れていなければ審査では「見えない」ということ。
障害年金審査のポイントとなる重要事項がきちんと記載されている診断書になっているか。 「病歴・就労状況等申立書」の内容が診断書と乖離していないか。精神疾患特有の審査傾向や過去の支給・不支給事例を把握できているか。
“適切な申請”とは、これらを踏まえて申請している人のことなのです。障害年金の申請手続きをする機会が何度もあるわけではないので、制度を知ることが難しいのも現実です。その結果、書類の不備や準備不足によって、本来受け取れるはずの権利を失ってしまう方がいます。
認定される可能性を高めるために
近年、不支給が増加している背景には審査の厳格化もありますが、この傾向が続くとしても、「きちんと見直せば評価が変わるケースが確かに存在する」という現実があります。
初診日をどう立証するか。診断書をどの時点で依頼して、主治医にどのような情報提供をするか。病歴申立書で何をどう伝えるか。本人にとっては当たり前の苦労が、実は審査上とても重要なポイントであることは少なくありません。
診断書作成にあたり、障害年金制度に詳しい主治医であれば理想ですが、必ずしもそうであるとは限りません。「病歴・就労状況等申立書」では、審査官が診断書では把握しきれない、あなたの具体的な困りごとを理解するための重要な情報源です。
適切に作成することで、受給の可能性を高めることにつながります。
障害年金は「運」ではありません
障害年金は、生活を支える大切な制度であり、人生を立て直すきっかけになる制度です。 同時に、適切な準備なしに挑むにはハードルが高く、複雑な制度であることも事実です。書類の不備や準備不足によって、本来受け取れるはずの権利を失ってしまう方がいます。
初診日の特定、必要書類(診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書など)の準備、そして年金事務所への提出と、非常に複雑で時間のかかる手続きです。
適切な準備と正確な書類作成によって、結果が変わることが実際に起こり得るのです。
これから申請を考えている方へ
私たちは、あなたの困りごとを丁寧に整理し、制度の基準に沿って形にして、多くの方の申請に携わり、認定へとつなげるお手伝いをしてきました。
制度理解と実務経験が問われる専門的な作業のため、私たち社労士に依頼することは、受給の可能性を高める上で非常に有効です。制度が厳しくなっている今だからこそ、“専門的な視点”と“正しい準備”が結果を左右します。
これから申請を考えている状況であれば、情報収集からでも構いません。まずは一歩、相談から始めてみませんか。



